2023年1月に発見されたアトラス彗星が10月13日、地球に最接近しました。
距離は太陽と地球の半分ほど。SNSでは各地で撮影された彗星の写真が投稿されており、大きな話題となっています。
自分の住む地域で見られるのか気になるという声も少なくありません。
そこで自分が住んでいる神奈川県でみられるのか、時間帯や方角などを調べてみました。
アトラス彗星ってどんな彗星?いつまで見える?
- 暗い空の下では肉眼でもかろうじて見える
- 観察がしやすい時期は10月16日から20日の間
- 20日に近づくにつれて、周囲の光と彗星の明るさが最適なバランスに
- 双眼鏡を使えば、「ほうき星」のような尾が伸びる姿が見えるかも
- 観察のベストタイムは日没の1時間前後、おおよそ18時頃
アトラス彗星とは正式名称はTsuchinshan-ATLAS彗星といい、日本では「紫金山・アトラス彗星」と呼ばれています。
紫金山・アトラス彗星は、2023年1月に中国の紫金山天文台で最初に発見されましたが、確認がされなかったため一度報告が削除されました。
その後、ATLAS(地球に衝突するような小惑星を早期に発見し警報するシステム)によって2023年2月に再発見されたこの彗星が同じ天体であることが確認され「C/2023 A3」と命名されました。
当初は2024年4月頃にマイナス等級の大彗星になると期待されていましたが、5月から7月まで増光が止まっていました。
そして9月、彗星は再び増光し太陽への接近に伴い活動が活発化しています。
この彗星はオールト(太陽系の外側をぐるりと囲む氷微惑星の集まり)の雲から来たと考えられており、将来太陽系外へ出て二度と戻らないと予想されています。
10月下旬以降は、彗星が太陽からも地球からも遠ざかっていき、徐々に暗くなっていきます。
彗星の尾は長く伸び、満月の10個分ほどの長さとなるそうですよ。
オリオン座流星群の極大日間近!見える方角などはこちらで解説しています >>読みにいく
神奈川県でアトラス彗星を観測するためのベストタイミング
日の入りから一時間程度たった18時頃がベストタイミングとされています。
しし座の一等星レグルスと同じくらい明るくなると言われるアトラス彗星は12~15日までは日の入りの時刻の低い空の位置となるため、残り空がほの明るかったり、地上の明かりなどの影響で肉眼で見るには難しいそうです。
10月16日ごろから彗星の高度が徐々に高くなり、明るさも2~4等級となる見込みです。
神奈川県(横浜市、10月13~31日)の日の入り時刻は以下の表となります。
(緯度:35.4500° 経度:139.6500° 標高: 0.0 m )
日 | 方位[°] | 高度[°] | 入り | 方位[°] |
---|---|---|---|---|
13 | 99.0 | 46.7 | 17:09 | 260.8 |
14 | 99.5 | 46.3 | 17:07 | 260.3 |
15 | 99.9 | 45.9 | 17:06 | 259.9 |
16 | 100.4 | 45.5 | 17:05 | 259.4 |
17 | 100.8 | 45.2 | 17:04 | 259.0 |
18 | 101.3 | 44.8 | 17:02 | 258.5 |
19 | 101.7 | 44.5 | 17:01 | 258.1 |
20 | 102.2 | 44.1 | 17:00 | 257.6 |
21 | 102.6 | 43.7 | 16:59 | 257.2 |
22 | 103.0 | 43.4 | 16:57 | 256.8 |
23 | 103.5 | 43.0 | 16:56 | 256.3 |
24 | 103.9 | 42.7 | 16:55 | 255.9 |
25 | 104.3 | 42.3 | 16:54 | 255.5 |
26 | 104.8 | 42.0 | 16:53 | 255.0 |
27 | 105.2 | 41.7 | 16:52 | 254.6 |
28 | 105.6 | 41.3 | 16:51 | 254.2 |
29 | 106.0 | 41.0 | 16:50 | 253.8 |
30 | 106.4 | 40.7 | 16:49 | 253.4 |
31 | 106.8 | 40.3 | 16:48 | 253.0 |
※全国の日の入り時刻は記事末のリンクで確認できます。
神奈川県内でアトラス彗星を観測するおすすめスポット
お天気の影響はもちろん、街灯などの明かりをさけるために都市部の横浜や川崎よりも、箱根や三浦半島などのエリアがおすすめです。
神奈川県内で特に海岸線が見える場所をピックアップしました。
撮影できた方のポストです。
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
— 真季@箱根☆D (@nekopon_maki) October 13, 2024
3度目の観測で出逢うことができました
銀塩フィルムでも撮りましたが、ちょっときつそう…
10/13、神奈川県大磯町 湘南平にて…スマホ Xperia 1Ⅲ撮りっぱなしですが、あげておきます
居合わせた方々と楽しい時間を共有できました
…ありがとうございました! pic.twitter.com/yM6Dcth89U
実際に見えたという方のポストです。
昨夜のAtlas彗星はぼんやりと撮れた写真しか残ってないけど尻尾までしっかり確認できた。この二週間ワイワイ作戦を練ってきた中学時代のバンド仲間ががっつりと撮影でき楽しめた。で、こちらは二宮吾妻山からの昨日の夕暮れのタイムラプスと山頂の模様。DJI Osmo Action 4の4Kで撮ったまんま無修正。 pic.twitter.com/Oba9juBLbZ
— Taike Nobu (@taike_hk) October 13, 2024
[補足]10/15の18:00~18:30待機していましたが、雲が多く観られませんでした。
カメラで撮っていた方が「ちっちゃ!」と言っていたので双眼鏡などが必要そうです。
あと、虫よけ対策は必須です。
紫金山・アトラス彗星、撮れた! 逗子の鎌倉寄りにある丘の上、披露山公園。西側に開けていて展望台もあることから撮影に来ている人が多かった。江ノ島や小田原方面を背景に、海と彗星。 pic.twitter.com/f23K4JwV7d
— Jim (@hjmsano) October 13, 2024
三浦半島の荒崎公園にて☄️
— たかはま (@taktaktakahama) October 12, 2024
肉眼では全く見えず、あっという間だったけど何とか撮れた(やった😁) 明日はもっと条件が良い場所で再観測だ…彗星は今しか見れないから🤔 pic.twitter.com/YC3xqZ4p6Z
また、海岸沿いも視界がひらけて見つけやすいです。
ピックアップした場所以外にもまだまだ見られる場所はありそうです。
天気予報や雲の状況をチェックして見えそうな場所を探すといいですね!
アトラス彗星はどの方角に見える?簡単に探す方法
日没後40分~1時間20分後ぐらいの金星・アークトゥルス・日没位置を結んでぶつかったあたりを探してみてください。
本日10月27日(日)の紫金山・アトラス彗星の位置です。
— 星の観察館「満天星」 (@man_ten_bo_shi) October 26, 2024
日没後の西南西の空、ラスアルハゲという2等星の左下にいます。
暗くなってきてるため、星がたくさん見える場所でも肉眼で見るのは難しいでしょう。
それでも双眼鏡ではまだ見えます。日没1時間後~2間後に双眼鏡で探してみましょう。 pic.twitter.com/JiB0AN3Y4w
肉眼でははっきり見えにくいので、双眼鏡やスマホの天文アプリなどを活用して、金星の位置を確認して探すことができますよ!
「星空ナビ」もおすすめです。
星空ナビ
利用するには「あの空なあに?」の画面の「連動」をタップすると、空に向かってかざすだけで星や星座の位置を確認できます。
アトラス彗星ライブ配信
国立天文台のYouTubeで10月15日に解説付きのライブ配信がありますよ!(アーカイブあり)
まとめ
紫金山・アトラス彗星が神奈川で見られるタイミングや方角、目撃情報を元にご紹介しました。
10月13日に地球に最接近したアトラス彗星ですが、16日ごろから高度を上げていくため日の入り後の18時ごろ~金星の西の位置で見つけやすくなりそうです。
今回の見頃を逃したら二度と見られないアトラス彗星をぜひ探しにお出かけください。
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